ポイントプレゼントキャンペーン

ラーメン座談会 その一、札幌の今ブームなラーメン「二郎インスパイア」系

更新日付 2011/01/25

ラーメン座談会 その一、札幌の今ブームなラーメン「二郎インスパイア」系


プロフィール
工藤 志穂 さん 工 藤 志穂 さん
つけ麺 工藤店主。 つけ麺好きが高じて自分の好みの味を追求。2010年8月25日に、つけ麺がメインのラーメン店をオープンした期待の女性店主です。
工藤 英明 さん 工 藤 英明 さん
ラーメン食べ歩き歴約10数年。平均すると1日1杯は食べているというラーメンマニア。新店はほぼ制覇するという猛者です。
森 さやか さん 森 さやか さん
HTB北海道テレビ放送アナウンサー。 夕方の情報番組「イチオシ!」(月〜金15:45〜19:00)に出演中。学生時代から食べ歩いては感想を書き記している「ラーメンノート」はすでに4冊 目というラーメン好き。
石田 直樹 さん 石 田 直樹 さん
札幌のタウン情報誌などを発行してきた出版社で、過去5冊のラーメン、麺本を手がける。それらの編集期間中に、短期集中で試食・取材を繰り返しています。

ラーメン座談会目次
その一、札幌の今ブームなラーメン「二郎インスパイヤ」系 その二、札幌の今ブームなラーメン「煮干し系」そして「若手の台頭」 その三、これぞ札幌ラーメン! 観光客にオススメしたいのは? その四、ラーメン女子にオススメのラーメンは?

その一 札幌の今ブームなラーメン「二郎インスパイヤ」系

石田

ではまず、今札幌でブームとなっている
ラーメンのスタイルとそのお店について、
新店を制覇している工藤(英)さんにお聞きしましょうか?

工藤(英)

流行りといえば、4月にオープンした
ブタキングに代表される【二郎インスパイヤ】 ですね。
札幌では、一番最初が5年前のてらから始まって、
2010年2月に『ラーメンぼたん』
4月に専門店のブタキングが登場しました。

その後、らー麺シャカリキがメニューをリニューアルしたり、
らーめん山次郎』『ラーメン麓郷舎』
『麺やはやり屋』
などが続々参画。
テレビの情報番組や雑誌でも
盛んに取り上げられていますよね。

石田

【二郎インスパイヤ】のスタイルを復習すると……。

工藤(英)

「太麺」「ドカ盛り」「野菜・ニンニク・アブラ・カラメ、マシ無料」、
以上(笑)。
全然女性に優しくないラーメンです。

そもそも東京・三田に本店がある『ラーメン二郎』
メニューに影響を受けたラーメン店主の方々が、
その味を追求したり独自に解釈されてメニューに取り入れた、
というスタイルですよね。

石田

ガツンとインパクトのあるラーメンですが、
女性から見てどんな印象ですか?

札幌で食べた中で、「これなら女性にも受け入れられる味だなぁ」
と思ったのがらー麺シャカリキでした。

私のラーメンノートにはしっかり記録されていますよ
「私のラーメンノートにはしっかり記録されていますよ」

工藤(志)

へえ〜そうなんですか?

確かに見た目、ボリュームがありますし、
かなりこってりしてそうに思うんですけど、
スープを飲むとそれほどくどさを感じず
「これはいけるな」と思ったのがらー麺シャカリキだっ たんです。

二郎系の中でも、具材はシンプルなのに深みのある味わい…
と言ったら、二郎系に反するんですけど、
女性でも食べられる二郎系だと思って帰ってきました。

工藤(英)

そうですね。
北海道の二郎インスパイヤは、
全般的にジャンク感が薄いというかキレイすぎて、
荒々しさがちょっとない…逆に食べやすい、
というイメージですね。

札幌はラーメンの本場だけに、
二郎インスパイヤでも
総合的に“ラーメン”として出来上がっている感がしますが、
本家二郎はラーメンというより
“二郎”という食べ物だと言われていますから(笑)

どの店でも受け入れやすいですよね。

工藤(志)

私は行ったことがないんです。
ちょっと見た目のインパクトで引いてしまって。
「アブラ増し増し」みたいなのが、
全然ダメなんですよ〜(笑)

野菜も肉も多いので、一見すると
女性だと食べきれないかな? という感覚になるんです。
でも、確かに東京の二郎で食べたときには、
「う〜む、これは手ごわい!」と思ったのですが、
らー麺シャカリキではせっかくだからと思っ て
大盛りをオーダーしちゃったんですけど(笑)、
食べ切っちゃいました。

石田

ちなみに森さんが、
札幌の二郎インスパイヤ店に行こうと思った動機は?

今、旬のラーメンは食べておかないと、
と思いまして(笑)。
ラーメンに関してはかなりチャレンジャーなんです。

石田

ところで工藤(英)さん。
ひとくくりに二郎インスパイヤと言っても、
店によって個性というか違いはあるんですよね。

工藤(英)

ありますね。
ブタキングは札幌らしく味噌で勝負していま す。

逆にら〜めん 山次郎は本家にとことんこだ わって、
同じ小麦粉を使い、醤油も業務用ながら二郎で使っている
「カネシ醤油」を使うなど、
いかに二郎に近づくかという作り方ですね。

それ以外だと、モヤシを茹でずに炒めるやり方の、
『ラーメンぼたん』『麺や阿修羅』もあります。

こうなると、
どこまで二郎インスパイヤと言っていいのかビミョ〜ですね。
本家・二郎は平打ち麺と聞いてますけど、
札幌の店にはそのタイプはないですし。

どこまで二郎と言っていいのかビミョ〜ですね
「どこまで二郎と言っていいのかビミョ〜ですね」

石田

工藤(志)さんはお店をやっている中で、
二郎インスパイヤが流行っているのを
感じることはありますか?

工藤(志)

いやぁ〜、うちの店、
意外と年齢層が高いんですよね〜。
歩行器を使ったおばあちゃんもいらっしゃるくらい。

うちに来るお客様で、
こってり脂っこい感じのラーメンを好まれる方は
いないような気がします。

工藤(英)

つけ麺工藤さんは、確か麺の量を選べましたよ ね。
そういうお店は、ドカ盛り好きから小食の方まで
安心して食べられますよね。
二郎系だと、標準で
麺300g以上のところもありますからね。

工藤(志)

うちは200g、300g、400gと、
お好みで3段階から選べます。

工藤(英)

400gは立派なドカ盛りですから、
そういった流行りのニーズも
きちんととらえていらっしゃいますよね。

石田

麺の量でいうと、つけ麺が登場したときに、
そもそもすごい量が特徴でしたよね。
あれはお客様に求められて、そうなったんでしょうか?

うちは200g、300g、400gと、お好みで3段階から選べます
「うちは200g、300g、400gと、お好みで3段階から選べます」

工藤(志)

さぁ? どうなんでしょうね。
私は求められているというより、
お客様がお好みで選べるということを提供したかったんですよね。

やっぱり女性は、量は食べられないけど、
男性はいっぱい食べたい。
ならば、スープや麺の量が調整できるサービスが
必要なのでは、と思って。

工藤(英)

そこは必要なことで、
どうしても客層を限定してしまうと、
集客に広がりが生まれなくなりますからね。

子どもさんを意識して子どもラーメンを用意するだとか、
お年寄りを意識した量を用意するとか、
いかに広くとらえていくかを
考えないといけない部分でしょうね。

「今日はお腹いっぱいガツンと食べたい」
と思ったら、二郎系のお店を選び、
そうじゃなければ、あっさり系のラーメン店に行ったりと、
お店の使い分けもしますよね。

最近、お店が多様化している分、
そういう使い分けが可能になっている気がします。


《続きます》